平成13年度

第9回看護人間工学部会公開研究会・講演会開催

平成13年8月25日(土) 大阪大学医学部保健学科

特別講演

暑さ寒さの脳内機構

彼末一之(大阪大学医学部保健学科)

温度感覚が脳内のどこで支配されているかというお話を、冷え性や甲状腺機能低下症を例に分かりやすく御講演いただきました。

一般演題1

1.坐剤使用時の力測定について

岡村直子、小川鑛一(東京電機大学理工学部)

2.立位で排尿可能な女性用便器

高橋信子(福島県立医科大学看護学部)

3.臥床生活者のための可動式床側台の開発

村山利奈、山崎信寿(慶應義塾大学大学院理工学研究科)

一般演題2

4.電子カルテを組み入れた拡張コンパートメントシステム

有賀正浩(東海大学電子情報学部情報学科)

5.青年期女子の月経周期による自律神経機能の変動

布原佳奈、大野純里、岡田由佳(愛知県立看護大学)
高橋真理(北里大学)

6.音刺激による心拍変動と血圧の関係

長坂猛、阿部浩太郎、田中美智子(宮崎県立看護大学)

7.作業姿勢と腰部負担に関するコンピューター・シミュレーション

箕浦哲嗣(愛知県立看護大学)
徳田法子(名古屋第一赤十字病院)

8.ヘッドアップ角度の違いが身体・精神面の安全・安楽に及ぼす影響

木村静(大阪警察病院)
阿曽洋子(大阪大学医学部保健学科)
高田喜代子(元大阪大学医学部保健学科)
片山惠(神戸市看護大学)
細見明代(神戸市看護大学短期大学部)
新田紀枝(大阪大学大学院医学系研究科)

9.長期臥床高齢者の側臥位への体位変換が循環器系に及ぼす影響

細見明代(神戸市看護大学短期大学部)
阿曽洋子、矢野祐美子(大阪大学医学部保健学科)
新田紀枝、前畑夏子、宮嶋正子(大阪大学大学院医学系研究科)


第10回人間工学会システム連合大会

平成14年3月30日(土) 慶應義塾大学湘南キャンパス

看護人間工学セッション
一般演題

1.Parentingのための教育教材の活用(第2報)-育児疑似体験人形の効果-

岡田奈純(愛知県立看護大学)

2.在宅酸素療法実施者の遠隔管理システムに用いるパラメータの考案

亀井延明(明星大学理工学部機械工学科)

3.看護・介護用具使用による負担軽減に関する研究

渡邊剛士(東京電機大学理工学部)

4.ベッドの背上げ背下げ時の力のずれに関する研究

綿田明文(東京電機大学理工学部)

5.夜勤帯の連続するおむつ交換時におけるケアスタッフの作業姿勢と腰痛との関連

正源寺美穂(金沢大学大学院保健学専攻)

6.ギャッジベッド背上げ背下げ時における足板の有効性

藤木亮(東京電機大学理工学部)

7.臀部挙上動作における看護動作負担軽減の研究

玉之内健(東京電気大学理工学部)

8.産褥早期の乳房うっ積に対するイモ湿布の活用

及川美穂(北里大学大学院看護学研究科)

9.寝返り動作の分析-アセスメントツール開発に向けての予備調査-

野崎真奈美(埼玉県立看護大学)

平成12年度

第8回看護人間工学部会公開研究会・講演会開催

平成12年8月26日(土) 早稲田大学理工学総合研究センター

講演会

看護とバーチャルリアリティ

野呂影男(早稲田大学人間科学部授)

1989年ごろより腹腔鏡手術から始まった医療におけるバーチャルリアリティの応用が、現在では外科手術を模擬体験するシステムまで発展してきていること、立体映像による奥行きの表現は、臓器の位置や細かい操作まで可能にしているため、まれな症例でもバーチャルに体験できることなどから、バーチャルリアリティの仕組みや導入までの経緯をお話していただきました。
またこれからのIT時代には、コンピューターを介したよりリアルな情報の中で、人と人とのコミュニケーションが発展していき、専門家と非専門家の情報ループが活発擦る中で、人と密接に接する看護領域こそ、情報に対する動きに敏感であるべきでしょうというご意見もいただきました。

ご講演をお聞きした後に、看護は経験が重要な専門分野でありながら、初学者に対する学習方法やや患者様への情報提供、生活体験の共有、予防・予測といった視点での、バーチャル体験というものを考える機会を持ちました。

早稲田大学理工学総合研究センター野呂研究室見学会

野呂研究室では、「チェアクリニック」の流れや身体計測・グローブ測定法(対象物を様々な方向から撮影しあらゆる角度の回転を可能にする撮影法)について、説明を受けました。

見学後、今までは道具に自分を合わせていた自分を発見しました。病院や医療施設では、まだ「マルチ」がもてはやされているのが現状です。しかし、時代はオーダーメードなんだなと感心しました。オーダーメード医療は遺伝子治療だけの世界ではないのです。看護も「個別性」という言葉に頼っているのではなく、根拠をもったオーダーメードにむけて戦略を考えなければならないと痛感しました。

一般演題

1.医療・福祉応用を目的とした立体ディスプレイシステムの開発

河合史(早稲田大学国際情報通信研究センター)

2.車椅子移乗介助者の筋負担の分析-身長差の違い-

水戸優子(東京都立保健科学大学看護学科)

3.ベッドアップ角度の違いによる体圧への影響に関する研究

木村静(大阪大学大学院医学系研究科)
阿曽洋子、高田喜代子、新田紀枝(大阪大学医学部保健学科)
片山恵、細見明代(大阪大学大学院医学系研究科)

4.長時間座位保持の身体負担と体圧

三家礼子、藤巻吾朗、野呂影勇(早稲田大学人間科学研究科)

5.マルチボディ・システムを用いた姿勢に関する数値シミュレーション

箕浦哲嗣(愛知県立看護大学)

6.更年期女性の自律神経機能の特徴

佐伯由香(長野県看護大学)

7.音刺激が心拍変動に及ぼす影響

長坂猛、田中美智子、須永清(宮崎県立看護大学)
増田敦子(東京医科歯科大学)
楊箸隆哉(信州大学)、榊原吉一(金沢工業大学)

8.チェアクリニックの現状と今後

寺岡拓(早稲田大学理工学総合研究センター)

9.グローブ測定法の開発と看護事例

橋本鮎子(早稲田大学大学院人間科学研究科)


第9回人間工学会システム連合大会

平成13年3月17日(土) 八王子大学セミナーハウス

1.在宅酸素療法対象者の即時解析システムに関する基礎的研究

亀井延明(明星大学理工学部機械工学科)

在宅酸素療法(HOT)対象者の新管理指標として開発されたDIHOT-K(亀井智子:1995)は、24時間、覚醒時・睡眠時と長い時間でのデータを採取した後の算出値であった。そこでできるだけ短い時間で解析できるパラメーターの検討を行った。これまでSpO2の低下度に対して重みWを用いて表していたが、検討の結果ΔWは対象者の呼吸状態の変化に即応しているパラメーターと考えられる。

2.自然な寝返りに近い体位変換の援助を考える-マットレスの違いによる体動の変化-

大久保祐子(自治医科大学看護短期大学)

健常者はどのように寝返りを行っているのか、普通マットレスと褥瘡予防用マットレスで観察を行った。普通マットレスに比べ褥瘡予防用マットレスでは体幹の向きを変える大きな体動は減少し、頭や四肢を動かす体動が増えていた。健常者では接触部分の減圧や関節・筋肉が同じ肢位でないように、部分的な動きを含めた体動が行われていた。

3.青年期女子におけるタイプA行動パターンと自律神経機能の検討

大野純里(愛知県立看護大学)

女性では月経周期による自律神経機能の変動が大きく、冠状動脈精神疾患を引き起こすとされるタイプAと自律神経機能との関連が明らかではない。そこで月経周期を卵胞期に統一してタイプAとタイプBの自律神経機能を比較した。その結果青年期女子についてタイプAはストレスの影響を受けやすいという男性とほぼ同様の結果となる可能性が示された。

4.看護テキストに関する人間工学的研究

三家礼子(早稲田大学大学院人間科学科)

野呂研究室でこれまで行ってきた看護系教育機関への看護人間工学の教育・教材提供など、看護的視点に立った人間工学の蓄積を、看護テキストとして編纂準備を進めている。基礎編・応用編、最新の情報をふまえ編纂予定で、快適な看護作業のためのデータベース化も進める計画である。

5.手術後患者におけるベッドからの起き上がり動作の力学的検討(その2)

中島佳緒里(愛知県立看護大学)

腹部手術後患者で観察されたベッドからの起きあがり動作について、体幹回旋動作を基本に側臥位になり起きあがる方法、柵を用いて起きあがる方法を比較した。その結果、力学的能率の視点では側臥位になり起きあがる方法が優れているが、主観的には柵を用いて起きあがる方法が負担が少なく楽であるという評価を得た。

6.Parentingのための準備教育-育児体験ベビィーの効果-

高橋真理(愛知県立看護大学)

8種類の理由によって異なった泣き声を出し、適切な対応をすると泣きやむように制御された育児疑似体験人形で育児体験をしてもらい、前後で育児に対する感情と育児行動の変化を測定した。人形であっても児を中心とした生活を体験し、育児が持つアンビバレント性を現実に実感でき、parentingへの準備教育としても有効であることが考えられた。

7.クッション材の違いによる官能量と体圧分布量

小山秀紀(早稲田大学)

椅子のクッション材の違いが、官能量と体圧分布量に与える影響を検討した。座ると「硬くてコツンとあたる感じがする」クッションは、「接触面積が狭い」傾向があり、「最大圧力値が高い」傾向が見られる。座ると「不快な感じがする」クッションは、「接触面積が狭い・平均圧力値が低い・最大圧力値が高い」傾向が見られる。座ると跳ね返る感じがする」クッションは「平均圧力値が高い」傾向が見られることが考察された。